土壌汚染調査のステップと土壌汚染対策工事
前回の記事で「土壌汚染」についての調査やリスクについて解説しましたが、今回は実際の土壌汚染調査や土壌汚染対策工事について解説していきます。
土壌汚染調査のステップ
実際の土壌汚染調査は一般的に次のようなステップで行われます。
1. 地歴調査
土地の利用履歴を調査して、土壌汚染の恐れがないか調査します。
特に土壌汚染の恐れがなければこの段階で調査終了となる場合もあります。
2. 表層土調査
表土から1m(揮発性有機化合物など)及び、50cm(重金属類など)の土を採取し、分析します。
特定有害物質が検出されなければ調査終了となります。
3. 土壌詳細調査
2で有害物質が検出された場合には、地下水汚染を含めてさらに詳細な調査を行うことが必要になり、実際の汚染状況を把握します。
費用については広さなどにもよりますが、簡単な場合であれば10万円前後からとなります。
詳細な調査を行う場合でも数十万円程度の費用のケースが多いようです。
それほど大きなコストではありませんので、リスク管理のためにも土壌汚染の恐れがある土地を所有している土地オーナー様は、専門業者に相談だけでもしてみると良いかもしれません。
土壌汚染対策工事の方法
土壌汚染調査の結果、万が一汚染物質が検出された場合は、土地活用の前に汚染対策工事を行うことが必要です。
汚染物質の種類や活用目的などによって適切な方法で施工、対策工法を取り入れ、人体への影響を排除していくことになります。
具体的には以下のような様々な方法があります。
掘削除去措置
汚染物質が存在する深さまで土壌を掘削した上で、汚染土を外部に搬出し、汚染されていない土を外部から搬入して遮水工を施し、埋め戻す方法となります。
最も確実な方法と言えますが、汚染土の処理費用や新たな土の購入費用、搬入・搬出費用などのコストがかかるためそこはネックになります。
またこの措置の場合、汚染が取り除かれたことを確認するための観測用井戸を設置し、一定期間モニタリングを行なうといった費用も発生します。
土入れ替え措置
汚染された土を掘り返し、その下の汚染されていない土と入れ替える天地返しという方法です。
汚染した土を外部に搬出する費用も、汚染されていない土を搬入する費用も必要ないので、工事費を比較的抑えることが可能です。
盛り土措置
汚染土壌の上に砂利などを敷き詰めた上で、さらに汚染されていない土を盛り上げて覆う方法です。
限定的に汚染物質が存在しているような土地の場合に行なう簡易的な方法です。
舗装措置
土壌汚染のある場所をアスファルトやコンクリートで舗装し、雨水や揮発性のガスも遮断できるような頑丈な舗装で“蓋”をしてしまうことで、地下の汚染物質の影響を排除する方法です。
例としては豊洲新市場が代表的で、地下に汚染物質が確認されていながら科学的に安全とされているのは、舗装によって地下の汚染物質をシャットアウトしていることによるものです。
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