知っておきたい自動販売機の仕組みを徹底追及!冷温同時販売の仕組みからお金を判別する仕組みまで
「自動販売機の中はどんな仕組みになっているの?」
「自動販売機はどうやってお金を認識しているの?」
自動販売機を設置するにあたって、どんな仕組みになっているのか詳しく理解したいという人も多いでしょう。
昨今では、効率的に電力を使うことができる仕組みの優秀な自動販売機が多数を占めています。
この記事では、
・自動販売機のお金認識の仕組み
・冷たい飲み物と温かい飲み物を同時に販売する自動販売機の仕組み
・日中は冷やさないピークシフト自動販売機の仕組み
・キャッシュレス自動販売機の仕組み
・顔認証自動販売機の仕組み
といったテーマで詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、自動販売機の理解にお役立てください。
自動販売機のお金認識の仕組み
自動販売機に投入されたお金は、センサーで判断されます。必要な金額が投入されているかを正確にジャッジするためです。
硬貨は、通過する際にセンサーでそれぞれのかたちの違いを判断して種類を判別します。精度の高いセンサーなので、1秒間で複数枚の見分けがつくようにできています。
また、紙幣もセンサーでインクに含まれる磁石の成分の有無や色、光の強さを感知します。上から照射した光を裏側のセンサーで受け取り、電気信号に変換することで紙幣情報として認識する仕組みです。
ちなみに、お金を入れたときに戻ってきてしまうことがあるのは、手についていた脂や汚れがお札に付着してセンサーが識別できなくなってしまうのが原因です。これは、乾いた布で表面を拭くことで解消できます。
また、お札が一度濡れてしまうと乾いた際に少し縮んでしまい、センサーに正常なお金ではないと判断されてしまうことで戻ってきてしまうこともあります。
自動販売機は、非常に精巧なセンサーを利用することによって、投入されたお金を正確に認識できるように作られていることを理解しておきましょう。
冷たい飲み物と温かい飲み物を同時に販売する自動販売機の仕組み
1台の機械の中で冷たく冷えた飲み物と熱々の温かい飲み物が同時に提供できるのは、ヒートポンプと真空断熱材を利用しているからです。
ヒートポンプとは、商品を冷たくする際に生じる熱を利用して温かめる仕組みのことです。これまでは、冷たくするために発生した熱を外に排出する仕組みを採用していましたが、効率的に別の商品を温めることに使うことで再利用が可能になったのです。
また、真空断熱材は庫内の温度を保つために必要な素材で、設置することによってエネルギー効率を高めることができます。断熱材には、グラスウールなどの素材を真空状態にして金属フィルムで覆ったものを使っています。
こうした技術を採用することによって、消費電力を抑えることができます。
さらに、最近では蛍光灯よりも省エネ効果が期待できるLED照明を使っている自動販売機も増えました。このように、最新技術を導入することで、環境にも経済的にも有能な自動販売機が実現されているのです。
日中は冷やさないピークシフト自動販売機の仕組み
ピークシフト自動販売機は、断熱性や高い気密性によって機械全体がポットのように保冷保温できる仕組みになっています。電力に余裕のある夜間に商品を5℃以下に冷やし、それを電力使用のピークである日中(8~22時)に保冷保温することで24時間快適な温度で商品を購入することができるのです。
冷却性能がこれまでの機械より向上しているため、早めに冷やすことができるのもピークシフトを実現できる要因です。これにより、大量販売や集中販売も可能です。
従来は、取り出し口付近の数十本を冷やすという造りでしたが、これだと常に冷やしたり温めたりする必要があります。この技術によって、消費電力は95%の削減効果があることが確認されています。扇風機の半分以下の電力で充分まかなうことができる電気の使用量です。
この技術は、自動販売機の製造大手の富士電機とコカ・コーラの共同開発によるものです。消費電力の削減に加え、日中に冷やさないことによって音が静かになるのもメリットの1つといえます。
キャッシュレス自動販売機の仕組み
時代の流れに伴って、自動販売機にもキャッシュレス決済の仕組みを導入する企業が増えてきました。キャッシュレス決済とは現金以外の支払い全般を指し、大きく分けて電子マネー、クレジットカード、バーコードの3種類があります。
自動販売機では、多くの自動販売機が電子マネーのみ利用可能なのが現状です。電子マネー以外の自動販売機の決済には、コカ・コーラや伊藤園、TenTen、acureなどが行っている事業があります。
コカ・コーラでは、マルチマネー対応自動販売機を開発しています。これは、現金や電子マネーだけでなく、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードも利用できる仕組みです。対応できる機械には、読み取りパネルがあります。
また、伊藤園では、キャッシュレス決済対応自動販売機を導入しています。こちらは外国人観光客を視野に入れて決済方法の多様化に対応したものです
また、TenTenは自動販売機向けのIoT プラットフォームサービスです。既存の自動販売機に専用のデバイスを設置すれば、決済システムが変更されます。利用する際は、TenTenのアプリをダウンロードし、これを通じて商品の購入や支払いを行います。設置には、高額なカードリーダーを搭載させる必要がありません。
acureでは、「イノベーション自動販売機」を開発しています。これは、事前にアプリで支払いを済ませた後、アプリ上に表示されるQRコードを自動販売機にかざして購入するという仕組みです。
このように、世界の流れには少し遅れを取っていますが、日本でも少しずつキャッシュレス化の動きが進んでいるのです。
顔認証自動販売機の仕組み
ダイドードリンコでは、予め利用者の基本情報や顔写真、決済クレジットの情報を登録しておくことで、顔認証決済が可能になる仕組みの自動販売機「KAO-NE(カオーネ)」を導入しています。
購入時は、商品を選択したら顔認証を起動し、顔を自動で撮影したら4桁のパスコードを入力するという流れになります。このシステムにはNECの生体認証技術が採用されていて、マスクをつけたままでも認証可能なほど精度の高いものになっています。
当初の課題だった認証までの時間の長さも解消し、利便性の高い自動販売機として今後も設置台数が拡大していくことが予想されます。
初期投資・運営費用