駐車場法とは何かご存知でしょうか？

駐車場の中には、所轄の市町村長に届出が必要な駐車場があります。

これらのルールを定めたものが「駐車場法」です。

もしこれから「大型のコインパーキング」を経営しようと思っている人がいれば、ぜひ一度駐車場法を詳しくご確認されることをおすすめします。

もし知らずに経営をしていると、所轄の市町村役場から警告されるかもしれません。

では、駐車場法とは一体どんなものでしょうか。

今回は駐車場法とは何か・駐車場整備地区・路上駐車場・路外駐車場の届出についてわかりやすくご紹介します。

①駐車場法とは何か？

駐車場法とは、主に都市部での自動車駐車施設に関する必要事項を定めた法律のことです。

簡単にいうと、都市部の大型駐車場施設に関する法律のことです。

ただし駐車場経営者にとってのポイントは「大型のコインパーキング」や「商業施設付設の駐車場」の届出に関してです。

➁駐車場法の特徴

駐車場法は、次の4つの特徴があります。

❶駐車場整備地区（法第3条～第4条）

駐車場整備地区とは、（主に都市部で）自動車の交通が増えた時に、混雑解消のために都市計画で定められる地区のことです。

地方自治体から駐車場整備地区に定められると、定められた地区内には新しく駐車施設の設置が義務付けられます。

駐車場整備地区に定められると、延べ面積2,000㎡以上の建築物を建てる時には、駐車場施設を付随して設置しなければなりません。

❷路上駐車場（法第5条～第9条）

路上駐車場とは、一般道路に設置が許可された駐車スペースのことです。

具体的に路上駐車場とは、見通しのよい広い道路の歩道際から車一台分の白枠で囲まれた駐車スペースのことです。

駐車場整備地区に定められると、地区内道路の路面に路上駐車場を設けることができるようになります。

❸路外駐車場（法第10条～第19条）

路外駐車場とは、一般的な公共駐車場のことです。

ちなみに駐車場経営者に関係するのが「路外駐車場」です。

路外駐車場の定義は、道路から離れて設置される公共駐車場ということになります。

路外駐車場の対象は、大型コインパーキングや商業施設の駐車場です。

対象外は、月極駐車場や社員専用駐車場など、特定の利用者が決まっている駐車場です。

駐車場整備地区に定められると、路外駐車場を設けることができるようになります。

❹地方公共団体の条例の定め（第20条）

地方公共団体の条例の定めとは、延べ面積2,000㎡以上の建築物への駐車施設の附置義務と管理を条例で定めることができることです。

これまで交通渋滞が起こらなかった地域は、駐車場整備地区や条例の定めは行われていません。

ところが交通渋滞が増えると、地域は駐車場整備地区や条例が定められ、建築物への駐車施設の附置義務と管理が定められます。

➂路外駐車場の届出

大型のコインパーキングや商業施設の駐車場を経営・運営する場合には所轄の市区町村長への「路外駐車場の届出」が必要となります。

こちらでは、路外駐車場の届出が必要になる条件と対象外の条件についてご紹介します。

❶路外駐車場の届出が対象になる駐車場の条件

届出の対象になる駐車場の条件は、次の3点が全て該当した時です。

1⃣　一般公共の用に供される駐車場（一時預かり駐車場・時間貸し駐車場、コインパーキングなど）

2⃣　自動車の駐車の用に供する部分（駐車マス部分の面積が500㎡以上の駐車場）

3⃣　駐車料金を徴収する駐車場（利用すると、利用料金が発生する駐車場のこと）

❷路外駐車場の届出が対象外になる駐車場の条件

利用者が限定されている駐車場です。

（個人の）月極駐車場や従業員専用駐車場などのことです。

④路外駐車場の届出に必要な書類の一覧

こちらでは路外駐車場の届出に必要な書類の一覧についてご紹介します。

東京都中央区で、路外駐車場の届出に必要な書類は合計11種類あります。

それぞれご紹介します。

〇東京都中央区の例

まとめ

今回は駐車場法とは何か・駐車場整備地区・路上駐車場・路外駐車場の届出についてご紹介しました。

今回のポイントをまとめると次の通りです。

①駐車場法とは、主に都市部での自動車駐車施設に関する必要事項を定めた法律のこと

➁駐車場法の特徴は、駐車場整備地区・路上駐車場・路外駐車場・地方公共団体の条例の定めの4点

➂大型のコインパーキングや商業施設の駐車場を経営・運営する場合には所轄の市区町村長への「路外駐車場の届出」が必要となる

④東京都中央区で、路外駐車場の届出に必要な書類は合計11種類ある