「所有している土地で月極駐車場を経営するのは難しいの？」

「月極駐車場の経営で起こる問題にはどんなものがあるの？」

初めて月極め駐車場の経営をはじめる際は、こんな疑問を持つ人も多いものです。

空いている土地の有効利用に、月極駐車場の経営は手軽にはじめられる方法として向いています。ただし、起こりやすいトラブルを理解してポイントを抑えた上で運営をしなければ、失敗するリスクもあります。

この記事では、知っておきたい基礎知識から、よくあるトラブル事例や成功に導くためのポイントまで、詳しく紹介していきます。

ぜひ参考にして、月極駐車場の個人経営を成功させてください。

月極駐車場を経営するための基礎知識

個人で月極駐車場を経営するには、駐車場経営に関する知識を理解しておく必要があります。管理会社に委託するのとは違い、すべて自分で管理業務を行わなければならないからです。

月極駐車場は、利用者と貸主が契約を結び、1ヶ月単位で貸し出して使用料を受け取る仕組みの駐車場です。この項目では、月極駐車場の管理業務や、経営をはじめるまでの段取りについて紹介していきます。

では、早速確認していきましょう。

月極駐車場の経営で行う管理業務

月極駐車場のオーナーになったら、行うべき業務が多数あります。利用者に安心して自分の駐車場を利用してもらうための業務です。月極駐車場の経営というのは、ただ場所を貸すだけではありません。

この項目では主な業務を4つ挙げて解説していきますので、参考にしてください。

1.適切な集客をする

まずは、空車がないように利用者を集めることからスタートします。1台分でも空いていると、その分収入が少なくなるからです。管理にかかる費用は何台貸していても同じだけ必要なので、できるだけ多く貸せば利益が増えます。

集客の仕方として、例えばGoogleマイビジネスに登録する方法があります。手数料や掲載料が無料なので、ポータルサイトより気軽に情報を掲載することができます。また、駐車場の入り口付近にのぼりを設置して通行人や運転手の目を引くことも有効です。

オープン前から集客を進めて、なるべく早くすべてのスペースが埋まるように努めましょう。個人経営では、とにかく集客することが大切な業務の1つになります。

2.巡回や清掃を定期的に行う

利用者が気持ちよく使うことができるように、環境を整えることも業務の一環です。汚れていたりゴミが散乱していたりすると雰囲気が悪くなり、問題のある利用者ばかりが多く集まってしまう可能性があるからです。

草むしりやごみの撤去をしたり、損壊箇所の補修をしたりするなど、風紀には気を配りましょう。手入れが行き届いた駐車場なら、トラブルも起きにくく評判も良くなります。

3.入金チェックや督促をする

契約者が毎月振り込みをしているかを確認することも、忘れずに行いましょう。支払ったつもりで忘れている利用者もいるからです。

未払いがある利用者は、支払い金額が膨らんでしまうと払えなくなり、徴収が不可能になってしまうこともあります。1回でも未入金があれば、すぐに電話や手紙で連絡して支払いを促しましょう。滞納が続く場合は、解約通知を送って契約解除をするのが有効です。

事前の対策として、勤務先の連絡先を聞いておくのもいいでしょう。未払いがあった場合は連絡することがあると伝えておいてください。

お金の回収は、不慣れな人にとってストレスが溜まる業務です。しかしながら、ビジネスである以上は入金トラブルへの対応が切り離せないことを理解しておいてください。

4.利用者からの問い合わせに対応する

駐車場経営をしていると、利用者からさまざまな連絡が頻繁にくるでしょう。個人経営の月極め駐車場の場合、窓口業務も自分で行うことになるからです。

空き待ちの連絡や契約内容に関する質問などの問い合わせが、いつ誰からかかってくるかわかりません。可能であれば、専用の携帯電話を用意してプライベートの電話と使い分けましょう。

日中は本業の仕事に就いていて副業で駐車場を経営する場合は、メール対応のみにするなど対策を考えておいてください。

5.設備の点検や修繕を行う

駐車場の安全のために、定期的に点検を行うことも必要です。気づかないところでブロックが破損していたり、ライトが消えていたり、境界線が薄くなっていたりするからです。

気づいたら、すぐ直して快適な環境を保ちましょう。

個人で月極駐車場経営をはじめるまでの流れ

月極駐車場を個人ではじめる場合は、適切な段取りにもとづいて進めていきましょう。少なからず初期投資をするからには、経営を成り立たせる必要があるからです。

はじめに、土地の周辺状況についてよくリサーチしましょう。他に月極駐車場はどれくらいあるか、賃料はいくらか、車の所有率はどれくらいか、といった情報を集めてください。

リサーチの結果、所有している土地に月極駐車場としてのニーズがあることがわかったら、土地の整備を開始します。舗装しないままだと、雨の日などは利用しにくく、車が汚れやすくなるなどのデメリットが生じます。

できればアスファルト舗装して、快適に利用できるように整地しましょう。合わせて、看板や境界線のライン引き、ライトの設置などの各種設備も設置します。

次に、リサーチ結果をもとにして料金の設定を行います。料金は、利用者を集めるために大切な要素になるので、慎重に決めるようにしてください。

ここまで準備が整ったら集客をスタートしましょう。月極駐車場は、事前の徹底したリサーチと利用しやすい環境づくりを念頭に置いて進めてみてください。

月極駐車場で起こりがちなトラブルと対処法

月極駐車場では、さまざまなトラブルが起こります。この項目では、よくあるトラブルの事例と対処法をいくつか紹介していきます。

まず、よくあるトラブルが接触事故です。事故の状況によっては、駐車場の経営者の責任も追及されることがあります。事故が起こりやすいレイアウトだったり、歩行者が見えにくいつくりになっていたりする場合です。

安全に駐車することができるレイアウトになっているか、事前にさまざまな角度から検証しておくことが必要になるでしょう。

また、利用者や住民からのクレームもトラブルの1つです。「利用者が借りているスペースに無断で駐車されている」「夜間のライトがまぶしくて迷惑」「深夜の車の音がうるさい」など、さまざまなクレームが想定できます。

防犯カメラを設置したり、センサー式のライトにしたりなど、できる限り早急に対応することが大切です。

ゴミが不法に投棄されるなどのトラブルもあるでしょう。定期的な巡回で、見かけたら処分することが必要です。また、防犯カメラを設置して抑制することも有効な方法になります。

以上、この項目で紹介したのはトラブル事例の一部です。他にも、想定外のトラブルが起こるでしょう。まずは落ち着いて冷静に対処することが大切です。

月極駐車場を成功させるためのポイント

月極駐車場の経営がうまくいくためには、いくつかのコツがあります。この項目では、5つのポイントを挙げて紹介していきます。

まず1つめは、所有している土地が月極駐車場に向いている立地なのかをよく検討してからはじめることです。一般的に、住宅地やオフィスビルの近くなどが適しているといわれています。ほぼ毎日利用する場所だからです。

逆に、大型商業施設や美容院、レストランといった一時的に立ち寄る場所はコインパーキングが向いている立地になります。

2つめは、起こりうるトラブルへの対処法を予め用意しておくことです。料金の未払いや不正駐車、事故、ゴミの放置など、予想できる範囲で問題の解決策を決めておくと、いざというときに迅速に対応できるでしょう。

3つめは、個人経営に固執せずライフスタイルや目的に合った経営方法を選ぶことです。時間にゆとりがあってより多くの利益を得たいのであれば、個人経営が向いています。副業として労力をかけずに多少でも収入があればいいということなら、業者へ委託するのが適しています。

経営の仕方でも成功の可否が変わるので、じっくり考えて決めるようにしましょう。

ポイントの4つめは、駐車場法の適用内で運営することです。駐車場法は、500㎡以上の駐車場に適用される法律で、換気装置の設置や車幅の規制などが細かく定められています。

この法律に該当する駐車場を経営する場合は余計なコストがかかってしまうでしょう。ですから、500㎡以内で経営を行うようにすることをおすすめします。

5つめは、利用者と正式な契約書を取り交わすことです。個人経営の場合は、自分で作成することになります。契約条項や契約条件、契約期間など、細かく決めて記載しておきましょう。そうすることで、万が一トラブルに巻き込まれても、対応がしやすくなります。

以上が、スムーズに月極駐車場を個人で経営するコツになります。

まとめ

個人で月極め駐車場を経営する場合は、行うべき業務や最適な段取りがあります。これらを理解した上で進めることで、初めてでも問題なく経営をスタートすることができるでしょう。

トラブルが起こることは避けられないので、予め対応策を用意して慌てず対処するよう心がけてください。そして、できるだけリサーチを行い、自分の土地が個人経営の月極駐車場の経営に向いているのかを見定めることも大切です。

多角的に検証して、個人経営の月極駐車場の成功にこの記事を役立ててください。