月極駐車場の経営は、数ある土地活用の方法の中でもポピュラーです。月単位で駐車場を貸して賃料が収益になる仕組みはわかりますが、初期費用がどれくらいかかるかについては詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、経営方法によって大きくことなりますが、個人経営では200～500万円が相場です。

この記事では、経営方法や早期に初期費用を回収するポイントから初期費用の詳細、舗装について、追加が想定される費用まで詳しく解説します。

これから月極め駐車場をはじめたい人は、用意しておきたい費用の大枠が想定できるように本記事を最後まで読んでお役立てください。

月極駐車場の3つの経営方法

月極駐車場では、1ヶ月の定額制で駐車場スペースの賃貸契約を利用者と土地所有者の間で結びます。土地所有者が月極駐車場ビジネスをはじめる際は、大きく3つの経営方法から選択することになります。

1つは、個人経営です。メリットは、利用者から得られる収入のすべてが収益として得られる点です。ただし、初期投資から集客、運営全般、トラブル対応まで全て自分で行う必要があります。

そのため、本業は別にあって副業として所有している土地を活用したいと考えている人には難しい経営方法です。初めて経営に携わるという人にもおすすめしません。

2つめは、管理委託です。初期費用は土地所有者が負担することになりますが、運営管理に関してはすべて専門の業者におまかせできます。月極め駐車場の運営管理では、集金や未納者への督促、定期的な巡回、清掃、クレーム対応などを適宜行う必要があります。こうした業務を、すべてプロの専門業者に対応してもらえるので安心です。

3つめは、一括借り上げです。こちらは、管理委託とは異なります。管理会社に土地を借り上げてもらい、報酬として土地のリース料を得るというシステムが一括借り上げです。利用者数によって収入が変わることがないので、自営より少なくても安定した収益を得たいと考えている人におすすめです。

月極駐車場で早期に初期費用を回収するためのポイント

月極駐車場をはじめたら、なるべく早く初期投資の費用分を回収する必要があります。そのために必要なポイントはいくつかあり、例えば最良のプランを選択することが挙げられます。

つまり、所有している土地に最適なプランを提示してくれる管理会社を選ぶことが、早期の初期費用回収に不可欠なのです。ですから、複数社に相見積もりをとって、最も利益が上げられると判断した管理会社へ依頼するようにしてください。

自営の場合は、レイアウトや収支計画などを丁寧に作成して慎重に進めることが大切です。

料金設定も重要なので、リサーチを徹底的に行ってニーズに合わせながらも利益の出る絶妙なラインの金額設定をしましょう。特に、月極駐車場は一度決めてしまうと途中で変更しにくいので、スタートの時点で適正な料金設定を心がけてください。

また、経営上の実質利回りは15％くらいを維持するのもポイントです。多くの成功している駐車場の経営者は、この15％を基準にしてキープしています。

あくまでも目安なので、前後しても問題ありませんが、参考にしてください。

また、常に周辺からの情報収集を続けるのも必要なことです。井戸端会議からも、重要な情報が得られる場合もあります。

月極駐車場の初期費用

月極駐車場では、主に土地の整備費用が初期投資として必要な費用になります。土地の整備には、いくつかの方法があります。

1つは、整地のみ行って舗装しないまま月極駐車場を経営する方法です。この場合、ラインではなく区画用のロープをはって境目を示すようにします。

初期費用は、このロープの費用、車止めの費用、番号を設置する費用のみです。業者に依頼せず自分で設置することも可能なので、できるだけ費用をかけずにはじめたい場合は、未舗装を選択して自分で準備を行いましょう。

2つめは、アスファルトで舗装する方法です。月極駐車場ではこの方法が最も一般的です。コンクリートより安くできる上、ラインを引いたり番号を書いたりするのも容易で月極駐車場に向いています。

3つめは、コンクリートで舗装する方法になります。強度があり耐久性もありますが、費用はアスファルトと比べると高くなります。

月極駐車場は、駐車スペースが分かりやすく示されていれば、他に必ず必要なものはないといえるでしょう。シンプルな準備のみでスタートできるのが、月極駐車場の魅力なのです。

月極駐車場における舗装の必要性

月極駐車場の初期費用は、そのほとんどが整地にかかると前述しました。では、月極駐車場の舗装の必要性はどのような点にあるのでしょうか。

砂利のままで経営を続けていると、いくつかのデメリットが想定されます。例えば、砂利は少しずつ少なってしまい、随時メンテナンスをすることになります。

砂利が減ったままにしていると車がスタックしたり、見た目が悪くなったりといったことが起こります。さらに、砂利がはねて車を傷つけたり、水はけが悪くて車に悪影響を与えたり、汚れがつきやすかったり、タイヤに傷をつけたりといったさまざまなデメリットが想定されます。草むしりをして、美観を損ねない努力も必要になるでしょう。

ですから、費用を抑えたいなら舗装をしなくても問題ありませんが、集客にも大きな影響を与えるのでできれば舗装を検討してみてください。

また、舗装をすることで節税にもつながります。

月極駐車場経営で追加が想定される費用

月極駐車場の経営では、運営をはじめてから追加で費用がかかることがあります。例えば、駐車場を経営する土地に建物が建っている場合、解体する費用がかかります。

解体費用は想像しているのより費用がかかるので、土地の中に老朽化した建物があるなら、解体の費用も想定しておきましょう。

さらに、月極駐車場に利用する予定の土地が山林や農地の場合は造成費用が必要です。

造成とは環境を整えることで、木を伐採したり平らにしたり地盤を改良したりといった大規模な工事が必要になります。ですから、こちらも大きな出費が必要です。

ここまでの項目で解説したとおり、月極駐車場は初期費用についてはそれほど大きな負担がない土地活用といえます。しかしながら、初めて月極駐車場の経営を行う場合は準備の段階でわからないことがたくさんあるでしょう。

当社は、これまでにさまざまなケースの月極駐車場の立ち上げをサポートしてまいりました。ですから、初期にかかる費用のほか、月極駐車場に向いているかの判断や料金設定など、不安を抱えやすい点について最適なアドバイスをいたします。

ですから、月極駐車場経営の初心者の方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。