設置するために許可が必要な自動販売機ってどんなもの?
清涼飲料水の自動販売機は、設置の許可が必要ありません。しかしながら、それ以外の商品を販売する自動販売機については、内容によって必要な許可が存在します。
そこで、この記事では覚えておきたい許可が必要になる自動販売機について詳しく解説していきます。
許可が必要なのは、主に以下の5つの種類の自動販売機です。
・カップ式の自動販売機
・調理式食品の自動販売機
・牛乳の自動販売機
・氷の自動販売機
・お酒の自動販売機
1つずつ詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んで所有している土地に設置する場合にお役立てください。
カップ式の自動販売機
カップ式の自動販売機とは、購入すると紙コップが落ちてきて飲み物を注いで提供される自動販売機のことをいいます。高速道路のサービスエリアやショッピングセンターなどたくさんの人が集まる場所に設置されています。
カップ式の自動販売機には、食品衛生法第52条第1条に基づく「喫茶店営業許可」が必要です。食品衛生法では、喫茶店の営業には各自治体の知事に営業許可を得る必要があると定められています。
カップ式自動販売機は喫茶店に含まれるとされているため、喫茶店営業許可を取得することになるのです。そのため、カップ式の自動販売機は屋外に設置できません。
営業許可を申請するためには、まず保健所の食品衛生担当に相談し、施設の基準に合致しているかを確認します。
さらに、申請書類を提出して施設検査の打ち合わせを行い、保健所の担当者立ち会いのもとで基準をクリアしているかの確認が行われます。
基準に適合していることが確認できれば営業許可書が交付されます。費用は、喫茶店営業の場合、11,500円が必要です。
調理式食品の自動販売機
ハンバーガーや給湯装置付きのカップ麺、おにぎりやサンドイッチ、お弁当、ラーメン、うどんなど、機械の中で調理をして提供される自動販売機は「飲食店営業許可」が必要です。冷凍のたこやきややきそばを加温して提供している自動販売機もこれにあたります。
前述のカップ式自動販売機と同様に、調理をしている過程が飲食店と見なされるからです。
「飲食店営業許可」は、飲食店を開業する際には必須の許可であり、保健所に申請して取得します。食品衛生責任者を設定して届ける必要があることも理解しておきましょう。
流れは、「喫茶店営業許可」と同様です。一般的には5~8年で有効期限が切れるので、随時更新するのも忘れないようにしましょう。
調理式食品の自動販売機を所有している土地に設置したいと考えているなら、自動販売機の製造メーカーから直接買い取るか、リース会社からレンタルするといった方法があります。周辺に飲食店がない観光地などにニーズがあるでしょう。
牛乳の自動販売機
牛乳を扱う自動販売機では、「乳類販売許可」を取得する必要があります。
乳類販売業は、牛乳以外にもヤギの乳や乳飲料、クリームなども含まれます。店舗を構えていなくても対象になり、自動販売機んでの乳類販売も同様です。
例外として、カップ式の自動販売機は除きます。
乳類販売許可の基準は、専任の食品衛生責任者がいること、設置基準を満たしていることなどがあります。設置基準には、清潔な場所であることや排水がよく掃除がしやすい構造であることなどが定められています。
乳類販売許可の有効期限は5~8年で、取得にかかる費用は10,200円です。
氷の自動販売機
かき氷の自動販売機や、釣りに使う氷の自動販売機などがこれにあたります。かき氷の自動販売機は、昨今ではあまり見かけなくなりましたが、地方のドライブインなどで見かけることがあります。
こうした氷の自動販売機は、「氷雪製造業営業許可」が必要になります。氷雪製造業には、以下のような基準が詳細に設定されています。
・製氷室や貯氷庫がある。
・製氷室は清掃しやすい構造になっている。
・氷の製造室にはろ過器や温度計付きの殺菌機、充填機、密封機などがある。
・100ルクス以上の照明設備を設置する。
・ねずみや昆虫の侵入を防ぐ設備を設置する。
・常にきれいな水と交換できる構造にする。
氷関連の自動販売機の設置を検討する際は、上記の基準を満たしているか確認することが必要になります。
お酒の自動販売機
国税庁は、2019年以降の従来型種類自動販売機の撤廃を指導しはじめました。というのも、購入者の年齢を確認できるように改良された自動販売機の設置によって適切に管理を行うようにするためです。
改良型の自動販売機というのは、運転免許証やIDを利用して年齢確認ができるような機能が備わったものになります。購入できる時間帯も、23時~翌5時までは販売停止になるように設定されています。こうした状況下で、お酒の自動販売機の数は激減していることをまずは理解しておきましょう。
お酒の自動販売機を設置するためには、「一般種類小売業免許」の取得が必要になります。店舗におけるお酒の販売を前提とした免許なので、店舗内もしくは店舗前への設置が原則です。
一般種類小売業免許の取得には、まず税務署で要件の確認や提出書類についての指導を受けるところからはじめます。
その後、種類販売管理研修を受けた後に書類を作成・収集し、税務署に申請します。無事に免許交付の通知が届いたら税務署に再度出向きます。最後に、酒類販売管理者の届け出をして、登録免許税を納付したら免許が取得できるという流れです。
かなりたくさんの提出書類を用意する必要があるので、対応が難しい場合は行政書士などの専門家に依頼するとスムーズです。
このように、清涼飲料水以外の自動販売機には、扱う商品によってさまざまな許可を申請する必要があることがわかりました。初めて自動販売機の設置を行う際、他との差別化のために清涼飲料水以外を考えている人は、少しハードルが高いと感じるかもしれません。
当社は、これまでの実績としてさまざまなパターンの土地活用の相談に対応してきました。ですから、所有している土地に最適な自動販売機を提案することができます。自動販売機以外にも、違った角度からの提案も可能なので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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