自動販売機を設置するための基礎知識 経営や設置条件からビジネスのポイント、最新事情まで徹底解説
「自動販売機はどんな土地にも設置できるの?」
「どうしたら自動販売機を設置することで儲けることができるの?」
所有している土地で、自動販売機のビジネスをはじめたいと考えている人は、こんな疑問を抱えていませんか?
結論からいうと、自動販売機を設置するにはある程度の条件を満たす必要があり、利益を得るためにはちょっとしたポイントを抑えることが重要になります。
そこで、この記事では自動販売機の設置を考えている人のために、設置の条件、費用、ポイント、流れ、設置できない場所、自治体による運営者募集といった基礎知識について詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、有効な土地活用にお役立てください。
知っておきたい!自動販売機を設置するための条件
自動販売機の設置について、全国清涼飲料連合会は「自主ガイドライン」を制定しています。目的としては、利用者に安心して利用してもらうためです。ガイドラインには、以下のような内容が定められています。
・省エネや景観に配慮した仕様になっている
・安全性を考えた設置の仕方をしている
・リサイクルボックスを適切に設置している
・連絡先を明記している
・犯罪の撲滅
・再利用の促進
こうした条件を踏まえて自動販売機を設置することは社会貢献にもなると同時に、利用者を増やすことができるでしょう。また、文化遺産や自然公園が近くにある場所に自動販売機を設置する場合は、基準をクリアする必要があります。
例えば、以下のような基準です。
・設置する位置は壁面に密着させる
・商品名や広告を極力控える
・原色は避けて景観と調和させる
・複数の同販売機を設置する場合は乱雑にならないように設置する
といったことです。どれも基本的なことなので難しいことではありません。ですから、順守して多くの人に利用してもらえる自動販売機の設置を心がけましょう。
自動販売機の設置や維持にかかる費用
自動販売機の設置には、次の2つのパターンがあります。1つは、専門業者に場所を貸して一定の利益を得る「フルオペレーション型」です。所有している土地を貸し出すだけなので、初期費用は不要です。ただし、収入は売り上げの2割が相場です。
例えば、1ヶ月で100円の飲み物が100本売れたとすると、1万円の2割で2千円の利益になります。多くの収入は期待できませんが、設置費用から管理まですべて行ってもらえるのが魅力です。
電気代は土地の所有者が負担する場合も多いので、確認が必要です。電気代は約3千円~5千円が平均です。
もう1つは、自動販売機を買い取る「セミオペレーション型」です。初期費用としては、機械の購入から設置、管理までをすべて自分で行う必要があります。
自動販売機の価格は、新品では60万円~80万円くらい、中古品では15万円~30万円くらいが相場の目安になります。リースを利用する場合は、1ヶ月に5千円~1万円くらいです。
維持費は、電気代の他に商品の仕入れ代、管理にかかる人権費などが必要になります。ただし、自動販売機の利益はすべて土地所有者のものになります。初期費用にかけられる費用を考えてどちらの経営方法にするか決めましょう。
自動販売機ビジネスで儲かるための4つのポイント
自動販売機を設置して儲けるためには、4つのポイントを抑える必要があります。
1つめは、利用者のニーズに合わせることです。周辺に設置されている自動販売機や利用者の特徴をリサーチして、どのような自動販売機を求めているのかを分析してみましょう。
・商品より価格が安いのが嬉しい
・新商品をいちはやく試したい
・健康的なドリンクが嬉しい
このような、利用者のニーズを考えてみましょう。
2つめは、商品の価格を適切な価格にすることです。ニーズを正確に把握して、利用者に合った価格帯についても考えてみましょう。
3つめは、設置条件をクリアしているかガイドラインを見直すことです。条件を満たしていれば、利用者が安全に購入することができる自動販売機であるということです。安心できる自動販売機は、お得意様を抱えることができるでしょう。
4つめは、アフターサービスです。定期的なチェックやメンテナンスなどは、業者に依頼することが大切です。
フルオペレーション型もセミオペレーション型も、契約をする前に専門の業者が行う管理内容を確認してください。
自動販売機を設置するまでの流れ
フルオペレーションで土地を提供して業者に管理を任せる場合の流れは、どの管理会社に依頼するかを決めるところからスタートします。業者を決めたら連絡をして、担当者と商談を行います。所有している土地の様子や設置の目的、商品、設置台数などを決めたら契約を交わします。
契約が完了したら、自動販売機を設置してテスト・点検を行ったら設置完了です。フルオペレーションは、設置してからも管理やメンテナンスを行ってもらえるので安心です。
セミオペレーションは、見積もりを取ってどの自動販売機を購入するかを決めます。費用や大きさはたくさんの種類があるので、複数社の自動販売機を比較して検討しましょう。設置場所や電源の確保などを確認したら、設置します。
リースする方法もあるので、準備できる費用を考えて無理のない方法で自動販売機を手に入れてください。
自動販売機が設置できない場所・不向きな場所
自動販売機は、どこにでも設置できるわけではありません。まず、電源の確保が難しい場所では設置不可能です。
入り組んだ住宅街の突き当りの場所も、人通りが期待できないので設置は避けた方がいいでしょう。交通量が多すぎる場所は、車を停めたり立ち止まって購入したりしにくいので、設置しても売り上げを確保しにくいといえます。
住宅街も設置に適しているとは言い難い場所です。一戸建てが並ぶ住宅街はファミリー層がメインで住んでいるため、普段の買い物で飲み物を安く購入することが多いからです。
ガードレールを越えなければ買えないような場所も、自動販売機の設置に不向きといえます。車を降りてガードレールをまたいで買いに行くのは、1つハードルを越える必要があるのが理由です。
このように、物理的に不可能な場所に加えて、設置に向いていない場所に該当する場合は、他の土地活用を検討してもいいでしょう。
社会貢献型の自動販売機に注目!
昨今では、自動販売機の設置によって社会貢献につながる取り組みもあります。
内閣府が支援する「子供の未来応援基金 寄付型自動販売機」もその1つです。電気代は負担することになりますが、設置や置き換えは無料で全国どこでも設置が可能です。さらに、商品の補充やごみの回収、売り上げ管理などはすべて自動販売機会社が行います。
寄付については、売り上げ1本につき10円が独立行政法人の「子供の未来応援基金」に贈呈される仕組みになっています。寄付金は自動的に寄付されるので手間がかかりません。最新の省エネ自動販売機が使用されているため、CO2削減にも貢献できるのも特徴です。
また、「ドリンクDeオフセット」という取り組みもあります。これは、自動販売機で消費する電力に相当するCO2排出量を他の場所で削減したCO2と相殺して、ニュートラルな状態に戻すという仕組みです。
「災害対策自販機」や「備蓄システム」といった、非常時に利用できる自動販売機もあります。自動販売機にAEDが設置されたものも登場しました。
AEDの設置はさまざまな場所に広まっていますが、まだ充分ではありません。
どの自動販売機にするか悩んでいるなら、社会に役立つ1台の導入を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
具体的な土地活用と企業様のご紹介